和人政治を許さない!

出発

 飛行機に乗るのは初めてではないが、やっぱり京都から関空は遠い。ましてや、ピーチは第二ターミナルであるから、心配性な私は落ち着かない。ただ今回の旅行は1人ではない。同伴者の一人はやっぱり荷物は少ないし、もう1人が電車は久しぶりだなと言いながらトイレに走っていくのを眺めながら、「あ、自分がちゃんとしなきゃな」と軽く思った。

 

博覧会

 今回の旅行は特に何をするとも決まっていなかったが、今年開園した「ウポポイ」に行くことだけは決まっていたので、フライト中は、瀬川拓郎さんの『アイヌ学入門(2015年)』を読んだ。読み切っての感想が上のツイートである。

 もちろん面白いには面白かった。でも消費するような面白さしか感じることができなかった。アイヌは自分の故郷である北海道の大事な民族のはずなのだが、まさに博覧会のように面白がっているのと何が違うのだろうか。

 

学問に生きる人だ!!

 ウポポイに行くということ自体が自分ひとりではありえないことだったかもしれない。心持ち自体が博覧会気分であるし、なにしろ気軽に行ける距離ではないからだ。新千歳空港から時間でいうと1時間ぐらいしかかからないのだが、札幌から白老という私にとって何もゆかりのない場所に向かうのは心の距離が遠すぎる。

 しかし北海道に由来のない2人と一緒の車内はとても面白かったし、3人で行けて良かった。私も移動中にできるだけ外を見るようにしているのだが、覚えておこうと思うくらいでそれ以上に考えることはあまりない。この2人に対して旅行中、常に思っていたことだが、とにかくわからないことを知ろうという意識の強さに感心した。

 これって何だろうねと言ったと思えば、もうスマホで調べてる。しかも全部教えてくれる。学問に生きる人だ!!自分なんかよりちゃんとしてるじゃないか!!

 

ウポポイ

 ウポポイは今年、白老に開館した国立のアイヌ博物館であり、空間である。民族共生象徴施設と評しているが、このわかりそうでわからないような言葉が正しいのではないだろうか。ここは開館から閉館までいるべき場所だと思う。時間が足りなかった。もう一回行きたい。特徴なのはアイヌそのものについてのみを展示・研究しているわけではないというところ。アイヌアイヌにかかわりのある民族・文化のつながりを重要視し、過去から未来までを意識したつくりになっていた。

 アイヌは歴史の存在ではなく、現在だって生き続けている。交易の民である。このことを時間をかけて理解することができた。日本は単一民族国家ではない。

 でも和人くん和睦の席で殺害するのだけはやめよ? 

 

この日は和人へのヘイトを溜めて一日を終えた。ウポポイから札幌のホテルまでは遠かった。