鈴木大拙とムカデ
村上春樹の小説がやっぱり好きだ。
何もやることがなくて、何もすべきでもない。でも何かをやらなければいけない。そんな感情が湧き出てくるような時。あるいは単純に暇な時。そのどちらでも感情にしっくり来る。
村上春樹があまり好きでない人がいるらしい。もちろん自分でさえ全身が好きというものではないとは思うが、そういうふうに直接伝えられると悲しいものがある。
全部読んだけどよく分からなかった。退屈になってしまう。そういうのは多分、読むことによって何か明確な答えを求めている。
あなたは月の住人という表現が出てくる。時が流れるのを待ち、いい結果や悪い結果が出ようともそれをそれとして受け入れる。解決するのは自分では無いし、解決してほしいとも思っていない。この表現が好きではないのであれば多分はまらないんじゃないかなと思う。
努力を否定しているような感じはあるが、それでも時間は進むし、その時できることはやっているんじゃないかな。誠心誠意しっくりくる答えを模索する主人公は素敵だと思う。
鈴木大拙とムカデ